映画「君に届け」がこそばゆい!!

 「君に届け」って漫画知ってますか?
 西村さんはタイトルくらいしか知らなくて、でも春に実写映画が公開されて、その時TVで宣伝番組やってて何だか気になってました。
 長い黒髪と白い肌、ぼそぼそ喋る様子から、貞子と呼ばれ、いつも周囲から遠巻きにされている黒沼爽子。
 人の役に立ちたいと思っていて、倦厭されるような仕事も率先して行っているが、自己主張が苦手なこともあり、クラスメイトともなかなか打ち解けられない。しかし、クラスメイトの風早翔太だけは、他の人と同じように爽子に接してくれる。
 肝試しを通じて矢野あやね、吉田千鶴らと親しくなった爽子は、ようやく自分の気持ちを人に伝える重要さに気づいていく。
 少女マンガらしいすったもんだが繰り広げられていくんですが、この映画の何がいいって、キュン死しそう!!
 入学式の日に道に迷っていた風早に声を掛けたのが二人の出会いなんだけど、お約束のように桜の木の下で、爽子の頭にくっついた花弁をとってあげたりして、さらにこの時見た爽子の笑顔に惹かれてる。
 完全にコテコテなのに、嫌じゃない。
 むしろ良い。何かが良いんです。
 画面の雰囲気や色が良いのかも。キュンキュンする!観てて、学生さんに戻りたい!!と思うくらい。
 何これ、何この映画!!

 嫌な感じじゃないのは、1つには主役の多部未華子が美人じゃないからかもしれない。
 黒髪の下からじっと見てるところとか、ホントに全く可愛くない。これが新垣結衣とかだったら、「いくら髪が長くても、避けられるとか絶対ありえない!」ってなるんだけど、多部未華子だと納得出来ちゃう。
 だけど、純粋で一所懸命なところとか、面白おかしいところとか観てるうちに、可愛く見えて来るの。
 そこもキュンキュンする。恋って顔形じゃないんだよ!って。

 風早役の三浦春馬もなんか嫌みがなくて良い。
 序盤のうちに「この気持ち、黒沼に届くだろうか」って桜を見上げるシーンがあるんだけど、そこでもキュンてした。
 少女マンガって大体が当たり前だけど女子目線で、女の子が「この気持ち届いて欲しい」って思うシーンは多い。でも逆は少なくて、男子の気持ちが先に出て来るのって珍しい。
 だけど男子だってそう考えているのは当然で、そういうのがしつこくならない程度に表現されている。
 あと、風早が爽子を見て時々嬉しそうに笑うシーンが良い。好きな人の幸せそうな姿を見た時の、幸せな気持ちが伝わってくる。

 出て来る子が結局みんないい子だったりするのも良い。

 本当に観てる間中、ずっとすごい幸せな気持ちでした。
 主人公たちと同世代はこういう時期を過ごしているんだよ、って判って欲しい。
 昔に通り過ぎてしまった大人には、観てキュンキュンして欲しい。観たらきっとじたばたしたくなります。 続きを読む>>