「春燈」も良いね。

 こんにちは。睡眠が足りてない西村さんです。

 いやあ、昨夜は22時半にはお布団に入ったんですけどね、うっかり読みかけの宮尾登美子著「春燈」を読み出したら止まらなくて、結局最後まで読み終えたのが朝の5時・・・
 で、ようやく寝る気になってうとうとしたところに地震があったので、実質2時間くらいしか寝てません。おかげで眠い。

 「春燈」は「櫂」から続く、宮尾登美子の自伝的小説。
 「櫂」は母親の喜和の視点でしたが、「春燈」は娘の綾子の視点。なので「櫂」の後半と「春燈」の前半は時期が重なるけど、少々取り上げられる出来事やそれに対する感想が違う。
 「櫂」では長々と綴られていた引っ越しや離婚までの話が「春燈」ではほんの少し。逆に「春燈」では山の別荘について書かれていた部分も「櫂」では触れられていなかったり。
 程々の作家が書いたらきっと、どちらの作でもそれぞれ出来事を逐一書き込んでしまうと思う。けどそうはせず、主人公の心に留まった物事だけを連ねているところに、それぞれの個性を感じたりしました。
 喜和から見たら綾子は守ってやらなくてはならない、嫌われたくない娘なのに対し、綾子から見ると逆に邪魔に思われているのかも、と互いが互いに捨てられたくないと感じている辺り、両作を読んで良かったと思う。
 どちらか片方だけだったら、どうにも切なさ過ぎるから。 続きを読む>>