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「臨床犯罪学者 火村英生」1話目の感想。

 第1回、観ていただけましたでしょうか?
 ツイッターの西村さんのタイムライン上では概ね好評だったようで、嬉しい限り。
 西村さんもあの小説をこんな風に処理してくるのか、と楽しめました。

 それをふまえた上で、良いところともうちょっとのところ。

 良かった点
 ・小説をそのまま脚本にするのではなく、必要なエピソードを最低限に絞り上手く再構築していた。
 ・メインとなるストーリー(第1話だと「絶叫城殺人事件」)以外に他短編(第1話では「201号室の災厄」)をプロローグとして使用し、火村の探偵としての能力の高さと興味を引く構成が出来ていた。

 もう少し頑張って欲しい点
 ・火村とアリスの本来の性格及びそれぞれの役割がきちんと別けられていない(雑学はアリスの方が詳しいので、作中でやり取りされる俳優名は火村ではなくアリスが答えるべき。また、二人で犯人を断罪しているが、寄ってたかって追い詰めるような形は小説では決して取られず、火村をアリスが見守り、アリスを火村が見守るといった互いにフォローし合い、時に抑止力となる形が正しいと思う)
 ・小説中、最も重要ともいえるセリフが使用されなかった(アリスの「もし俺が女だったら男というだけで信用しない」というセリフは女性なら確実に共感するし、真理であると言える。女性視聴者を意識していることは配役からも感じられるので、削るべきではなかったと思う)
 
 良かった点からも解るように、原作となる小説をきちんと読んで話の構成を考えてくれているのは感じるが、まだ読み込み方が足りていないようにも思う。
 火村がなぜ今もずっと同じ下宿にいるか、それは婆ちゃんこと篠宮時絵さんの存在の大きさに他ならないのに、それがドラマからは感じ辛い。はんなりとした穏やかさと上品さが、ともすれば通常の生活から外れてしまいそうな火村を日常生活に結び付けていることは愛読者なら説明されるまでもなく理解している。
 しかし、ドラマの時絵さんは洋装はともかくとして、歩きながら団子を食べるなどという、ありえない行動を取ってしまった。
 これはいただけない。
 脇役の改変は多少なら仕方がないとは思っている。警察人はほぼオリジナルになるが、火村に友好的な刑事とそうではない刑事というわかりやすい二人を配置する意味が理解できる。
 けれど、品のない時絵さんでは何故火村が慕うのかわからない。必要以上に心に踏み込まない、距離を置きつつも見守ってくれるそんな京女だから慕って下宿を続けることに意味があるのだ。
 また、猫についても、2匹いるのにもう1匹拾ってきてしまうというところに火村の優しさがあるはずなのに、1匹しか出てこないのではそれも分かりづらい。エピソードとしても面白いものなので、是非ドラマ内でやって欲しかった。

 このように内面の読み込みの甘さがあるため、火村の性格も犯罪大好きみたいな変なキャラクターになってしまったのだろう(あれではただの変な人だ)
 おかげでちぐはぐな印象は拭えないが、ヒットすればシリーズ化されたり映画化などもあるだろうから、段々修正して行ってくれることを祈っている。
 二話目は今夜、「異形の客」だそうです。このチョイスには驚いたので、楽しみ!

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だって読めないもん・・・ごめんね。

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