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「深呼吸する惑星」観て来た。

 池袋で劇団「第三舞台」「深呼吸する惑星」観て来ました。

 「第三舞台」と「劇団四季」は西村さんの年代で演劇を齧った人間なら一度は通る道。
 好みは人それぞれなので、ミュージカル好きは「四季」に行き、小劇場系が好きな人は「第三舞台」に影響を受ける(と勝手に思っている)
 高校生の時に戯曲集を読み耽り、社会人になってからは舞台のビデオが出ると購入しては観た。10代、20代前半は今のようにネット環境もなく、またその人気の高さもあってチケットが買えるとは最初から思っていなかった。
 10年前に封印と称して活動休止していたが、封印解除と共に本公演を最後に解散することになった。

 地球から遠く離れた惑星。
 地球人兵士の自殺率が高いだけが高く、その原因を調べに来た科学者は、その晩、元夫であり今回の担当官の幻覚を見る。
 墓地の管理人をしながら、地球連邦からの独立を市民に促そうとしている男。
 その墓地の戦没者慰霊碑に毎日手を合わせに来る総統。
 総統の運転手とその母親。

 複雑で考えさせる内容とバカバカしい笑いとプロフェッショナルな芝居とダンス、そして演出。
 完璧なまでに作り込まれた舞台は今まで憧れ、想像してきたそのもので、10年の休止期間など無かったかのよう。
 東京公演の千秋楽と言うこともあり、ほぼ完ぺきな状態は安心して観ていられるもので、プロとはこういうものなんだな、と改めて感心しました。

 良かったところ。
 とにかく安定している。声、動き、ダンスすべてパーフェクト。
 500席ほどの劇場のため、マイクを使用していない。発声がしっかりしているので、小さな呟きのような演技もハッキリ聞こえる。
 舞台装置が最小限で、少し動かしただけで場面転換できるので、テンポが崩れない。
 その舞台転換もものすごく速い。暗転時の俳優の出入りもほとんど見えない。
 投影映像を取り入れた箇所が1か所だけあるが、それ以前の演出が布石になっているためかなり効果的だった。

 悪かったところ
 ・・・思い当たらない。
 強いて言うなら、昔に比べて理解しやすい脚本になってしまったところ。初期の頃は難解で理解し辛いものが多かった。雰囲気や感動は同じだけれど、意味が分かりやすくなってしまったところが少し寂しい。これは鴻上さんが変わったのではなく、今が難解なものが受け入れられない時代のせいらしい。

 自分の考える<理想の演劇>が「第三舞台」には存在してます。最後に生で鑑賞出来て本当に良かったよ。
 千秋楽は15日の福岡ですが、ライブビューイングで全国の映画館で観ることが出来るので、観に行く予定です(昼の回だけど)

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だって読めないもん・・・ごめんね。

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