若冲といわきの今。

 福島へは「若冲が来てくれました―プライスコレクション 江戸絵画の美と生命―」を観に行きました。
 伊藤若冲の「鳥獣花木図屏風」を筆頭に、プライス夫妻が江戸絵画のコレクションを東北復興のために貸し出して下さっての展覧会。
 岩手、宮城を巡回し、福島が最後。
 恐らく、この先日本には里帰りしないと思うので、どうしても見たい!と思い行って来た。

 あー、何だろう。
 若冲の絵は凄いんだけど、目の当たりにして圧倒されるとかは無かった。むしろ馴染みがあって違和感がないっていうか・・・あまりに写実的で完成されていたせいだろうか。
 その代り「やっとお会いできましたね」という気持ちになった。
 他の作家に比べ、若冲は穏やかな画面の中に絵画に対する激しさが見え隠れしている気がする。
 一つの対象物を何年もずっと観察し続けるだけの情熱を、知っているからだろうか。

 「鳥獣花木図屏風」はタイル状に描かれているからか、やはり絵画と言う気がしなかった。
 ガラス越しだったせいもあり、小さな動物まできちんと見えづらかったのが残念。
 今回は単眼鏡が心底欲しいと思った・・・

 「旭日雄鶏図」は観たかった鶏を題材としたもの。
 凄く綺麗だったし、ちょっと離れると本物がいるみたい。
 「鶴図屏風」も素晴らしいけど、同じ鶴なら「群鶴図」の方が距離が近かったせいかハッとした。
 あと「芭蕉雄鶏図」の芭蕉の葉に光る水玉!本当にそこに水玉があって光っているように見える・・・墨一色なのに!!

 MIHO MUSEUM収蔵の「象と鯨図屏風」も賛助出品されていて得した気分。
 賛助出品は会場によっても違ったりするので、岩手も宮城も行きたかったなあ・・・

 福島って意外と近いと思ったから、会期中にもう一度行ってもいいかも。展示品、前期後期で入れ替わるしね(その時は是非、単眼鏡を!!) 続きを読む>>