神様からの贈り物。

 もうすぐ姪っ子の誕生日なので、積み木を買おうと思ってます。

 積み木はフリードリッヒ・フレーベルが考案した一連の教材「恩物(おんぶつ)」(英語: Froebel Gifts、ドイツ語: Fröbelgaben)が最初。第3恩物から第6恩物までが積み木に該当し、第3恩物はおよそ3.3センチメートルの直方体が8個。ただそれだけ。
 この簡素な積み木に、物が掴めるようになった頃から触れることで、まずは触覚の発達が促される。固く四角い角のある積み木は最初はただの塊でしかないけれど、触れるだけでも刺激を与え、指先の分化(分岐発展)に役立つ。
 握るだけから今度は付属の箱から出し入れするようになり、指先で積み木を摘まめるようになると、ようやく積み上げることが出来るようになって行く。
 次第に8個の積み木が全て同じ形であること、8個がぴったりと箱に収まることを知る。そして8個を並べ重ねた形と、積み木1つ1つが、同じ立方体であることを自然と学習する。

 大人にしたら、ただの8個の飾り気のない積み木は面白くもなんともないものだろう。
 8個を組み合わせたら縦横が2倍、体積が8倍の立方体が出来るのも当たり前だと思うだろう。
 けれど、それらを当たり前と思うことは幼い頃からの学習のためであり、物心つく前からの学習はその後の差となる。
 ここで言う学習は「学校の勉強」ではなく、人がその能力を最大限発揮できるための勉強である。
 幼いころの学習の違いが、長じて勉強の出来不出来に繋がりやすいので得てして早期教育で頭が良くなると考えがちだが、決してそうではない。
 子供の発達段階に応じて適した刺激(恩物など)を与え、子供が本来持っている能力を引き出すだけなのだ。
 だから周囲の大人は、子供がより良い方法で子供を導いてやらなくてはならない。
 恩物は遊びながらそのような学習を行っていくための道具であり、神様から与えられた能力を引き出すための贈り物、「神様からの贈り物」=「恩物」なのである。 続きを読む>>