再読中、あれこれ。

 3月は再読月間と勝手に決めて、久しぶりに読み返しなんぞしてました。で、今も継続中。

 まずは「双頭の悪魔」
 その前に「女王国の城」を再読したら、読みたくなっちゃったんだよ~
 やっぱり面白いし、良いなあ。
 前はアリスや江神さんばかり追って見てたけど、今はマリアがすごく好き。
 ミステリでごく普通の女の子ってなかなか描かれない。特殊能力があったり、ちょっと変わった子だったり、すごいお嬢様だったり、そういう子ばかり。
 でもマリアは本当に普通の子で、表面的には何不自由なくても心の中では自分の嫌な面にぐずぐず言ってたりする。自分も含め、コンプレックスと言えるものって、他人からしたら他愛なく全然気にならないものなのに、それでも苦しんでたりする。
 そういうところがとても愛おしい。
 勿論アリスも変わらず好きだけど(いや、西村さんが溺愛しているのは「火村シリーズ」のアリスなんだけどさ)マリアと同じで人間臭いところが好きになって来てる。
 マリアに好きな人が出来たかのかも、と考えて胸に小さな痛みを感じ、その感情を打ち消そうとするところとか、良いなって思う。間にあるのは友情だと思ってても、やっぱりちょっとちくっとすることってあるある!
 元々文章は上手い有栖川先生だけど、そういうごく普通の感覚を小説に盛り込むのが巧みだな、と改めて思ったのでした。なかなかミステリでこういう人は少ないと思う。 続きを読む>>