自分にとって真実の歌。

 先週、カラオケに行った時に古い歌ばかり歌って、それで懐かしくなってCDを引っ張り出して来た。
 そしたら、中西圭三と一緒に、処分してしまったと思ったMr.Childrenのシングル「Any」も出て来た。
 妹がファンだったので、初期の頃のミスチルはわりと強制的に聴かされていました(子ども部屋が一緒だったから)
 でも大ヒットしてしまうと、似たり寄ったりの曲、独りよがりの歌詞が鼻に付くようになって、「悪くないんだけど、好みではない」そう思うようになった。それは今もあまり変わっていないのだけれど、何故か「Any」だけは好きなのです。
 カラオケでI根井さんに歌って貰って、「やっぱり良い歌だよなあ、これ」と思ったので出てきて嬉しい。

 当時、今よりももっとどうしたら良いのか、このままで居ていいのか、先はあるのか悩んで、悩んでも出口が無くて苦しくて。
 「好き」が高じて相手を振り回し、たくさん迷惑を掛けて、嫌な思いをさせて。もう笑い掛けてくれることもないのだろう、そう思ってた。
 謝って昔のように戻れるなら。許して笑ってくれるなら、いくらでも謝るから。
 そんな気持ちがカップリングの「I'm Sorry」という曲にそっくり歌われているような気がして、少し救われた。
 
『愛してると君が言う 口先だけだとしても
 たまらなく嬉しくなるから それも僕にとっては真実』

 「Any」の歌詞の一部で一番好きな部分。
 愛してると言って貰えなくても、例え与えてくれた言葉や態度がその場限りの偽りでも、それでもやっぱり自分にとってはそれが全てで、嬉しくなってしまうのも本当で。自分が接した部分だけを信じ続けて、そして後悔しないのであれば今自分が立っているところもきっと悪くない。
 その頃の悩み全部、歌詞に吹っ飛ばされた気がして、聴く度にホッとした。

 今は自分が望んでいた状況とは違っても、あの頃程辛くはないし、時々は幸せを感じるし、言葉や態度を疑うこともなくなった。
 でも、だからこそ今聴くと、昔の自分とその時の辛さを思い出して少し切なくなったりする。普段は元気でいられるけれど、今も悩んで辛くて泣く日があるくらいなので、その瞬間だけ気持ちがその日に逆戻りするのだろう。
 いつか聴いても辛くない、そんな日が来るのか来ないのか・・・来て欲しいとは思うけれど、来ないような気もする。それでも絶望しないで居るのは、自分が信じる物だけを全てとしているから。
 もしも自分が望む日が来たら、このCDは不要になるのでしょうか。 続きを読む>>