前の3作知らないと、全然楽しめないだろう「ハンニバル・ライジング」

 本日の映画は「ハンニバル・ライジング」
 原作は読みましたが、正直あんまりレクター博士の生い立ちとか知りたくなかったのよね。
 謎に満ちた殺人鬼のままの方が良かった・・・だってさ、あまりに可哀想な過去を知ってしまったら、肩入れしたくなるじゃん。ただでさえレクター贔屓なのに。
 一つの物語を書き続けていると、どうしてもその人物の人生を描きたいと思うのは仕方ないかも知れない。
 でも、やっぱりコレは書かず3作だけの方が名作で終わったのに、と思うんだけどね・・・

 そんななので、「ハンニバル シリーズ」だから映画化するっていうのはどうなのよ、と懐疑的。
 そして映画「ハンニバル」が最悪な出来だったのであんなだったらどうしよう、と思って見てなかったのです(俳優が格好良すぎるし)
 しかし、考えてたよりずっと良かった。
 つーか、映像が原作を読んで想像してた通りだったのが吃驚(日本に関する部分も、きっとあんなもんだろうと思っていた通りなので気にしない)
 レクター役のギャスパー・ウリエルが格好いいのに、どんどん笑い方がアンソニー・ホプキンス演じるレクターに似ていくのがちょっと怖い(笑)
 当然の事ながら、原作に多少の脚色が入り、描写も削除され、一般的に受け入れられるレベルまで表現が穏和になってる(それでもグロいのがダメな人は観ない方が良いと思う)
 でも、その削除された部分にこそ、レクター博士の人格を位置づけた理由や造詣の深さがあるので、ちょっと残念ですね。
 全ての根本は、「自分も食べたから」ではなく、「入っていた事を知っていて、気付かないフリをしていた」からなのよ。

 個人的にはこの話の可哀想さより、「ハンニバル」で飛行機に乗っていて、夢を見てもうなされる方が可哀想に思える。
 何十年経っても消えない傷が、クラリスによって癒されたのだとしたら、やっぱり映画「ハンニバル」のラストはちょっと違うと思うのです。
 「レッド・ドラゴン」のリメイクは成功したのだから、是非「ハンニバル」も再映画化お願いします・・・ええホントに。 続きを読む>>