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殊能先生のこと。

 KREVAさんのライブを観に行った夜、訃報に接しました。
 作家、殊能将之さんが亡くなりました。

 自分が読み始めたのは出てすぐの「黒い仏」をお友達から貰ったから。だから2001年だと思います。
 作家としてまだ3作目であり、シリーズものの2作目でもあったため、まず「ハサミ男」を読んでみた。
 まだこんなミステリが世の中には存在するのだと、嬉しくてすぐ好きになった。
 2作目の「美濃牛」も面白く、続けて「黒い仏」を読んだ。
 ミステリとしては賛否両論あるけれど、わたしは許せた。
 「鏡の中は日曜日」でハッキリと好きだと思った。
 「樒 / 榁」は袋とじで、わくわくさせて貰った。
 「キマイラの新しい城」に新しいミステリの可能性を感じた。

 殊能先生の著作で読んでいないのは、児童向けのレーベルで書かれた「子どもの王様」とアヴラム・デイヴィッドスンの短編を編著した「どんがらがん」、あとは共著で出版された短編だけ。
 たった、これだけ。

 才能にあふれた人がたったこれだけしか残さなかったことに、悲しさと憤りを覚える。
 この世の、不平等さへの憤り。
 何故才能ある殊能先生が亡くなって、何も残すことのない自分が生きているのか。悔しい。
 有栖川先生に対する程の傾倒はなかったし、読み込んでいる訳でもなかったから、これほど不在を寂しく悲しく思っている自分に今更ながら驚いている。

 冥福なんて祈れない。
 幽霊でもいいからそこにいて、書いて欲しいとまだ思っている。
 そう思うくらいにあの世界やミステリが好きだった。
 冗談や駄洒落が好きな殊能先生だから、これも冗談であって欲しいのに。

 すごく、寂しい。

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だって読めないもん・・・ごめんね。

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