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ラストが酷い、映画「最後の忠臣蔵」

 レイトショーで映画「最後の忠臣蔵」観て来た。
 別にそんなに「観たい!!」って程ではなかったのだけれど、他に観たいのも思いつかないし、まあ忠臣蔵好きですからね・・・
討ち入りの後、一人生き残った寺坂吉右衛門。16年掛けて散り散りになった元赤穂藩士の遺族の元を尋ね歩き、その帰り、討ち入り前夜に出奔した瀬尾孫左衛門を見掛ける。
 瀬尾は名を変え、人里離れた隠れ屋敷で、かねという娘と二人暮らしをしていた。
 一言で言いますと、かねという娘は瀬尾が育てたのだけれど、血のつながりはなく、かねは瀬尾が好き。でも仕事(骨董商?)で知り合った呉服商、茶屋四郎次郎の息子に見初められる。で、最初は嫌がっていたけれど、結局は、嫁入りする事になる。

 これねー、途中までは凄く面白いです。
 討ち入りから逃げたという汚名を着てまで守っているかねは、一体何者なのか。
 物語の所々で出てくる浄瑠璃(曽根崎心中)と瀬尾、かねの二人の愛を重ね合わせているので、二人は最後どうなるのか。

 以下、ネタバレ含むよ。

 かねは大石内蔵助とその妾のかるの子供。病身だったかるを助けて欲しいと討ち入り前に内蔵助に言われ、出奔した瀬尾。
 その後かるに死ぬ前に託されたため、かねを育てて来たわけです。
 で、大石の願いで逃げたとは知らなかった旧臣は瀬尾を卑怯者と罵っていたのだけれど、かねの嫁入り時に事情を知った旧臣が「行列に加えてくだされ!」と駆け寄ってくるのにグッと来る(ちょっぴり泣いた)
 二人きりの生活で隠れるように暮らしていて、家を出た時は寂しい嫁入りだったのが、嫁ぎ先に着いた時には大行列になっていてまたなんか良い。

 だけど、面白かったのはここまで。
 嫁入りを見届けた瀬尾は宴にも出ず、家に帰って切腹するんだよ!
 はぁ?

 嫁入りさせて、もう生きる必要が無くなり、主人の元に行くというのはまあ一見忠義っぽいですが、そもそもお前はどんな理由だろうと逃げたの!追う権利はないの!!
 それから、嫁入りした晩に切腹したら、かねが可哀想すぎるだろう。自分がいなくなったせいかと傷付くだろう!!(町家なので、里帰りくらいするだろうし、骨董商として出入りもしてた訳ですから、耳に入らないとは思えない)せめて子供が生まれて幸せになりました、くらいの時期とかにしようよ。
 もしまた「曽根崎心中」になぞられて、かねを失った以上生きていられないと言うのであれば、女々しい。武士のくせに。
 何より腹が立ったのは、主君の位牌の前で腹を切って、しかもその返り血が位牌にぴしゃっと掛かるところ。汚したらいかんだろう・・・
 で、吉右衛門が死ぬ間際に飛び込んできて「お前は最後の赤穂浪士だ」だったか何だか、そんな事を叫ぶのです。
 何じゃそれ。安っぽいなー
 ホントにもう、このラストで台無しです。途中は良かったから尚更酷い。
 実は他にもツッコミどころはあるんだけど、全て原作通りだったら、一生読まないと思う。ガッカリだな。

 でも一般的には感動?なのか泣けるみたいです。後方からはすすり泣きがいくつも聞こえて来たから。
 この映画は他にも欠点があって、「忠臣蔵」を知らないと楽しめないこと。概要でも良いから知らないと、絶対に嫁入行列でほろっと出来ないよ。米国で公開して面白いのかな?

 にしても、観客の年齢層は高くて、皆さん50歳以上でした・・・みんな「忠臣蔵」好きだなあ(笑)

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だって読めないもん・・・ごめんね。

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