西村さんの独り言

　振られました。
　昨日、いつものようにメールしたら、気になる子が出来たので会うの止めるって言われた。
　もう何回目だろう。こうして同じ人に失恋するの。
　その度に毎回泣き喚いて、心を痛めてる。
　コレばっかりは慣れないなぁ・・・辛くてたまらない。
　嫌なこともあったはずなのに、もう終わりなんだと思うと寂しくて、優しくされたことや楽しかったことばかり思い出してる。他の人とは違う、あの打てば響く感覚はもう味わえないんだな。

　でも、心の隅で、時が経てばまた元の鞘に戻るんじゃないかとも思ってる。
　別れを告げられたり、こじれる度に泣いて、そして諦めきれなくて。結局良いように遊ばれているのだと判っていても、まだ好き？会いたい？って聞かれたら頷いてしまう。
　ホントは良くないって判ってても、もしかしたらまたって思うから、いつまでも次の新しい恋には行けなくている。
　優しくされててもいずれ訪れる最後の時が怖くて、いつも怯えてた。でもそれはもっと先のことだと思っていた。まさかこんな早く来るなんて。

　気になる、素敵な人が、って言われる度になんて酷いことを言うのだろうと思う。
　頑張っても頑張ってもあの人の気に入るような女性にはなれていないというのを思い知らされて辛い。
　でも、それで始めてあの人が他の人と天秤にかけていなかったのが判った。「今日は用がある」とか言われる度に、他の人と会ってるのかなと疑っては悲しくなっていたけれど、決して想像していたようなことはなかったみたい。
　愛してはくれなくても、あの人なりに精一杯の誠意でわたしに対応してくれていたことに、今頃気付くなんて皮肉です。