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「闇の喇叭」はタイトルが深い。

 「闇の喇叭」読み終えました。
 ホントはもう1,2日掛けて読むつもりだったけど、止まらなくて後半一息に読んじゃった。勿体ない気もしたけど、無理だった(苦笑)
 おかげで寝不足。

 物語の舞台となる世界は昨日書いた通り。 
主人公たち高校生3人が住む村で、身元不明の男性の死体が発見される。
 そしてそれから数日、村内でも変わり者と有名な伊敷紀彦が崖の下で遺体となって発見された。
 男性は何者なのか。二つの事件は同一犯による物なのか?
 舞台が特殊なので、普通であればただの青春小説として終わりそうなところ、そこはやはり有栖川先生。しっかり本格ミステリでした。
 いやあ、そう来たか。
 詳しくは書けませんが、この舞台であるからこそ成立するトリックです。

 ここからはちょっとネタバレ気味ですが。

 この本の献辞は「戦争が終わったとき十歳だった母に」
 物語の途中、一つのエピソードとして出てくる、主人公のお友達のお祖母さん。戦争中に高松住んでいたと話すそのお祖母さんこそ、有栖川先生のお母様がモデルなのでしょう。
 空襲で焼け野原になった地面が熱くて歩けず、お父さんが塗れた布団を敷いてくれて、端まで行くと前に布団を敷き直す。経験者でないと知り得ない話がとても胸に刺さりました。
 南北に分断されてしまった日本という設定もそうだし、推理小説や方言が認められないという社会システムも、全て、戦争ってイヤだな、そこの行き着く。

 探偵行為が認められない世界で、探偵が謎を解く。
 そこに起きる悲しい結末に胸が苦しい。
 戦争さえなければ。誤った道に国が進まなければ。
 けれど、吹き鳴らされた喇叭は終わりの合図ではなく、始まりの合図らしい。
 後書きがあって良かった。無ければ勘違いして、悲しくなってしまったことでしょう。
 久しぶりに読了後に切ない気持ちになれた本。
 良い本だと思います。

 なんていうか、そろそろミステリという枠に収まらなくなってきている気がする。
 基本はミステリですけど、深い。深すぎる。
 殺人事件が起こるからイヤ、と倦厭している人がいたらそこは目をつぶって是非読んで欲しい。

 今日のご飯
 朝 サンドイッチ、野菜ジュース
 昼 サンドイッチ、チキンサラダ
 夜 焼き鳥、豆腐、カレー納豆、ビール
 午前中に梅饅頭という人形焼きの生地みたいなのに梅餡が入ったおやつを食べた。あとグミ。
 グミはなかなか曲者で、少量なのにご飯が食べられなくなります。恐ろしい。
 体重は多めのところで静止中。なのに体脂肪率が下がっていてコワイ。

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だって読めないもん・・・ごめんね。

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